人材輩出力としての東大早慶合格率、七帝大率

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 このブログでは首都圏では、東大、早大、慶大の着目し、今年からは、全国を対象に、七帝大(北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大)に着目しています。
 この枠組みだと、国公立大学医学部が含まれないので、高校の本当の学力ランキングにはならないのではないかと指摘されることもあります。ごもっともな指摘ですが、国公立大学医学部は、一人合格校は把握が難しく、経年データを集めるのも困難です。また、医学部の偏差値も10年単位で見ると上下があります。その意味でデータとして不適格だというのもひとつの理由です。
 ただ、あえて、放言をいいますと、私がこのブログで紹介したいのは、高校の人材輩出力であって、学力ランキングではありません。全国からいろいろな若者が将来を夢見て、これらの大学を踏み台にして、社会の様々な分野でエリートとして活躍をします。多くは平凡な人生を送るでしょうが、それでも、これらの大学を出た人材が日本という国を引っ張っているわけです。その前段階として彼らの出身校に興味が湧くわけです。
 確かに、国公立大学医学部は優秀でなければ入れません。そして、医師免許は、この就職不況の時代に、唯一、ある程度の将来が保証された資格でもあります(今後はどうなるかわかりませんが)。しかし、医者は医者です。山中教授をはじめ、医療の世界では貢献できたとしても、特別の限られた分野に過ぎません。たとえ、同じ高校から100人もの国公立大医学部の合格者を出したとしても、それだけでは人材輩出力のある高校とは言えません。
 一方、旧帝大早慶の卒業生は、様々な分野で活躍し、縁の下の力持ちとして働き、そして、大半が使い捨てられていく。彼らの中で18歳までの努力に見合った人生を送れる人はむしろ少数派でしょう。だからこそ、彼らの出身校を取り上げたくなるわけです。
 大学はたくさんあるのになぜこれらの大学だけを指標にするのか。まず、旧帝大は簡単です。国策として人材を育成するために設立された総合大学だからです。早慶は、国策として設立されたわけではないですが、長い歴史のなかで、日本国民が、旧帝大のカウンターパートとして支持育成したきた大学だからです。ジャンケンもそうですが、3すくみ(カエル、ヘビ、ナメグジ)、三権分立(立法、行政、司法)のように、権力を安定させるためには、3つの柱が必要です。官吏を育成するための旧帝大に対して、それを牽制するために、財界とマスコミに人材を供給する大学が必要でした。そのために選ばれた大学です。