七帝大率を定義してから、改めて東大早慶合格率を考えてみました。まず、現在の東大早慶合格率の定義です。
東大早慶合格率の定義
総合格数 | 加重値 | 近似加重値 | |
---|---|---|---|
東大 | 3109 | 3109÷3109=1.000 | 1÷1=1.000 |
早大 | 17648 | 3109÷17648=0.176 | 1÷6=0.167 |
慶大 | 8737 | 3109÷8737=0.356 | 1÷3=0.333 |
七帝大率の定義
偏差値 | 定員 | 累積数 | 加重値 | 近似加重値 | |
---|---|---|---|---|---|
東大 | 69.3 | 3109 | 3109 | 3109÷3109=1.000 | 1.000=1÷1 |
京大 | 67.5 | 2928 | 6037 | 3109÷6037=0.515 | 0.500=1÷2 |
阪大 | 64.7 | 3450 | 9487 | 3109÷9487=0.328 | 0.333=1÷3 |
名大 | 62.2 | 2227 | 11714 | 3109÷11714=0.265 | 0.250=1÷4 |
東北 | 61.3 | 2599 | 14313 | 3109÷14313=0.217 | 0.200=1÷5 |
九大 | 60.7 | 2754 | 17067 | 3109÷17067=0.182 | 0.167=1÷6 |
北大 | 60.0 | 2667 | 19734 | 3109÷19734=0.158 | 0.143=1÷7 |
- (七帝大率)=((東大)+(京大)÷2+(阪大)÷3+(名大)÷4+(東北)÷5+(九大)÷6+(北大)÷7)÷(卒数)
東大早慶進学率(東大早慶合格率再考)
両者の違いとして、東大早慶合格率は東大と早大と慶大は全て併願できることから、偏差値順による累積数でなく単純にそれぞれの大学の総合格者数で加重値を決めています。一方、七帝大率は、後期日程という例外を除けば、それぞれの旧帝大は併願不可能なので、偏差値順による累積数で加重値を決めています。
東大早慶合格率と七帝大率を比べる上で、併願数を含む前者のほうがどうしても数値が大きくなります。七帝大の合格数≒進学数なので、七帝大率は進学者数ベースなりますが、東大早慶合格率は合格者数ベースです、この指標も進学者数ベースに補正する必要があります。あえて名づけると、東大早慶進学率(東大早慶合格進学率)と呼びましょう
では、週刊誌発表の早慶進学数の発表を待つべきかというと、毎年、発表時期や公表学校も異なりますし、経年的にデータを収集するのは困難です。近似モデルで補正をかけることにします。
- (1) 東大に合格したら、必ず東大に進学する
- (2) (1) 以外で慶大に合格したら、必ず慶大に進学する
- (3) (1)(2) 以外では早大に進学する
- (4) 同一人物による同一大学の複数合格は誤差として無視する
うちは代々、早大・慶大ダブル合格の場合は、早大に進むことになっているという家庭も多数いらっしゃるとは思いますが、ここは近似モデルなので、ご容赦願います。
具体的にどのように違うのか東大早慶合格率上位10校で説明します。
校名 | 卒数 | 東合 | 早合 | 慶合 | 合率 | 東進 | 早進 | 慶進 | 進率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 筑駒 | 163 | 103 | 95 | 63 | 85.8% | 103 | 0 | 0 | 63.2% |
2 | 開成 | 399 | 170 | 195 | 146 | 63.0% | 170 | 25 | 0 | 43.3% |
3 | 聖光 | 226 | 62 | 176 | 125 | 58.9% | 62 | 51 | 63 | 39.2% |
4 | 栄光 | 186 | 52 | 123 | 101 | 57.1% | 52 | 22 | 49 | 38.1% |
5 | 麻布 | 309 | 82 | 161 | 150 | 51.4% | 82 | 11 | 68 | 34.3% |
6 | 桜蔭 | 232 | 66 | 143 | 70 | 48.8% | 66 | 73 | 4 | 32.1% |
7 | 駒東 | 238 | 59 | 125 | 96 | 47.0% | 59 | 29 | 37 | 31.3% |
8 | 武蔵 | 168 | 29 | 103 | 67 | 40.8% | 29 | 36 | 38 | 27.2% |
9 | JG | 222 | 37 | 162 | 75 | 40.1% | 37 | 87 | 38 | 26.7% |
10 | 渋幕 | 336 | 61 | 190 | 126 | 40.1% | 61 | 64 | 65 | 26.7% |
そして、加重値も若干変更する必要があります。
合格率加重値 | 加算後の進学率加重値 | 補正後の進学率加重値 | |
---|---|---|---|
東大 | 1÷1=1.000 | 1÷6+1÷3+1÷1=1.500 | 1.500÷1.500=1.000=1÷1 |
早大 | 1÷6=0.167 | 1÷6+0÷3+0÷1=0.167 | 0.167÷1.500=0.111=1÷9 |
慶大 | 1÷3=0.333 | 1÷6+1÷3+0÷1=0.500 | 0.500÷1.500=0.333=1÷3 |
早大関係者には過小評価のように感じられますが、この0.111が該当する部分は、早大と慶大の差分の部分です。ダブル合格の部分は0.333 になります。
筑駒のように東大合格数が圧倒的に多い学校では、早大進学数、慶大進学数がゼロになります。大半の学校で、(東大合格数)<(慶大合格数)<(早大合格数)となりますから、それぞれの差分を取ることで、推定進学数が出せます。実は、この値は (東大合格数)<(慶大合格数)<(早大合格数) の条件の学校では、東大早慶合格率×2÷3=東大早慶進学率となります。首都圏内部で比較する場合は両者で順位が変わることがありません。したがってどちらの数値を採用してもいいでしょう。ただ、七帝大率との比較では、東大早慶進学率のほうがより公平な比較になります。