七帝大率の定義

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 このブログは首都圏の進学校限定で、東大、早大、慶大の合格数をもとに進学校の動向を分析してきました。しかし、地方の進学校のことも気になるものです。私は、以前から地方は地方で、独自の進学校判断基準があり、全国で統一した基準を作ることは不可能だと述べてきました。今でもその考えに変わりありません。
 雑誌も、最近は、地方別、県別に進学校の評価ランキングを発表しています。しかし、ネットで議論される地方の進学校の評価を相互に理解しようとする姿勢は大切だと思います。ところが、地方毎に別個のランキング表ではどうしても、地方間の連携がなくて、具体的イメージがわきません。全国で統一した指標が欲しくなります。厳密な順位には異論があったとしても大まかな枠組みで、ある地方の高校と別の地方の高校が似たような大学合格実績を上げているという傾向をつかみたいものです。
 そこで、七帝大率という指標で評価してみたいと思います。

 しかし、七帝大の合格数を合算するだけでは面白みがありません。東大に三桁受かる高校と、北大に三桁受かる高校を同じ指標で評価したのでは、北大に三桁受かる高校の関係者でさえ指標に疑問点を感じるでしょう。東大に合格するのは北大に合格するのより難易度が高いのは誰でも知っています。
 それでは加重指標になりますが、その指標をどう設定するかです。加重指標の悪い例は、最初に主観で進学校の順位を決めて、その順位に合致するように加重値を変更したり、ほかの大学を加えたり外したりすることです。何が何でも贔屓の高校を一番にするという指標です。まさにオラが順位です。
 加重値は最初に何らかの根拠に基づいて決定し、しばらくは変更しないことです。今回の加重値は以下のように設定しています。

  • 2013年の偏差値と定員
大学 偏差値 定員 累積数 加重値
東京大学 69.3 3109 3109 3109÷3109=1.000
京都大学 67.5 2928 6037 3109÷6037=0.515
大阪大学 64.7 3450 9487 3109÷9487=0.328
名古屋大学 62.2 2227 11714 3109÷11714=0.265
東北大学 61.3 2599 14313 3109÷14313=0.217
九州大学 60.7 2754 17067 3109÷17067=0.182
北海道大学 60.0 2667 19734 3109÷19734=0.158

 理論としては、模試で東大の定員以内にいれば、東大合格濃厚、東大と京大を合算した定員以内にいれば、京大合格濃厚として、北大まで合算します。また、東大合格濃厚者3106人のうち3106人が東大レベルの実力を持ちます。次に、京大合格濃厚者6043人のうち3106人が東大レベルの実力を持ちます。したがって、加重値は、3016÷6043=0.514です。同様に北大まで加重値を算出します。
 七帝大率は以下のように算出します。

  • (七帝大率)=((東大合格数)+(京大合格数)×0.514+…+(北大合格数)×0.157)÷卒数

 ただし、毎年定員は微妙に変わりますので、単純に1から7まで割ることで近似できます。加重指標は、時系列的に耐えるもの、第三者が容易に検算できるものが理想なので、以下のように変更します。

大学 偏差値 近似加重値
東京大学 69.3 1÷1 = 1.000
京都大学 67.5 1÷2 = 0.500
大阪大学 64.7 1÷3 = 0.333
名古屋大学 62.2 1÷4 = 0.250
東北大学 61.3 1÷5 = 0.200
九州大学 60.7 1÷6 = 0.167
北海道大学 60.0 1÷7 = 0.143
  • (七帝大率)=((東大合格数)+(京大合格数)÷2+…+(北大合格数)÷7)÷卒数

 定義が決まったところで、実際、どのような数値になるのか知りたいところです。次の記事で、七帝大率10%を超える進学校を紹介します。