東大生の9割はいらない子なのさ

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 私にとっては、確かに教育機会による多少ハンディはあっても本人の意思さえあれば挑戦可能な東大入試は十分に公平な制度に思えるのですが、その多少のハンディさえも気になる方は、多分、東大合格によってバラ色の人生が開けると思っているからこそ、完全に公平な制度を求めているのだと思います。(何をもって完全に公平なのかという議論もありますが。)
 でも、それ以前に東大は、どういう教育機関であるか考えると、完全に公平な制度を議論をするのもばかばかしくなります。

 つまるところ、東大からみて、官僚なる人と、教授になる人以外は「いらない子」なんですよ。正確な数字は知りませんが、官僚コースと教授コースに乗れる人は東大生の1割未満でしょう。だから、「東大生の9割はいらない子」なんです。医歯薬系学科みたいに国家資格を提供して、卒業後も特権を与えることなんてしてくれません。「民間にいったら勝手に各自が努力してね」で放り出されるだけです。東大生はもともと数が少ないですし、早慶卒のように卒業後も自ら出身大学を名乗り、企業内で輪を広げるようなことはしません。基本的に、東大に合格するほどの努力の才能があるから、民間でもその才能で何とかしろよというレベルです。
 こんな教育機関に入れるために「年収別クォータ制度」なんかまじめに議論するのもばかばかしいでしょう。どうせ9割は捨てられるんだし、放り出されたあとは各自が努力するしかないんだから、元々、努力嫌いの人に東大卒の肩書きを与えても卒業後に苦労するのは同じです。
 だから、東大は入試において特別な枠で(ごく少数の帰国子女を除き)受け入れることをしないのでしょうね。勉強嫌いで肩書きだけがほしい人が目指すような大学ではありません。逆に勉強好きであれば、十分に門戸は開かれています。