教育機会のノーサイド2 - 中学受験塾の功罪

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※この記事は2月23日に書いています。

 実は、これが底辺校さんからの最初の問題提起だったのですが、簡単に触れます。私は、中学受験塾なんて需要がなくなれば淘汰されるから、問題点があってもあまり関心はなかったりします。ここが、6年間生徒を預かり、卒業後も履歴書や証明書発行等で縁がありつづける学校とは決定的に違います。社会的責任も大きく違います。塾なんて嫌だったらやめればいいだけです。

 今の中学受験ブームを起こしたのはずばりN研です。ただ、そのN研も磐石とは言えず、淘汰の波にさらされています。簡単に箇条書きします。どの塾も同じ運命をたどります。

  • 1.難関私立中合格実績に特化した少数精鋭の塾として成功する。
  • 2.事業拡大のために生徒と教室を増やす。
  • 3.教室を増やすと賃貸料がかさむので自転車操業になる。
  • 4.さらに生徒数を増やすために公立中を攻撃し始める。
  • 5.ゆとり教育と公立中の荒廃を宣伝しはじめる。
  • 6.ところが、生徒を増やしたのはいいものの、受け皿となる私立中の定員が少ない。
  • 7.新設私立中の進出を促して、そこに生徒を融通しはじめる。
  • 8.さらに事業拡大、3に戻る。ただし上位層から敬遠されるようになる。

 そうやって、身動きが取れなくなりつつあるのがN研であり、次はSの番になります。さすがに、Sは中学受験の退潮を感じて、今後は、少数精鋭路線維持と、高校受験シフトをすると思います。中学受験塾なんて、10年ごとに入れ替わるものです。まじめに叩く気にもなれないんです。一介の中学受験塾と中高一貫校では社会に対する責任が全く違います。