教育機会のノーサイド2 - 読者コメント欄にて

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※この記事は2月23日に書いています。

 先日の『教育機会のノーサイド*1』で思わぬ反響を呼び、読者コメント欄が盛り上がりました。5人の方からコメントをいただいたのですが、4人の方は現在の東京都の教育改革を前向きに評価している方で、1人の方は多少の異論があるようです。今回は、異論のある底辺校さんの意見についてコメントしたいと思います。4人の方には別の機会でコメントをしたいと思います。

 実は、底辺校さんの意見は、中学受験では幅広く支持されている意見なんです。私がはるか昔に家庭教師をしていた家庭の母親もそういう意見でしたし、自分の子供の中学受験時にセミナーに出席したときに、他の母親も同じような質問をする人が多くいました。その意見をまとめると次のとおりです。

  • (1) 学校や塾で良いカリキュラムと優れた講師が用意されればそれだけ子供は伸びる。
  • (2) 高額な教育費を払える家庭ほど、より優れた環境が手に入る。
  • (3) 教育費を払えない家庭の子供はかわいそう。←公言はしないが本音、逆に中学受験をさせられる我が家は何て幸せなんだろうという優越感。

 これに対する反論は今のところありません。理由は証明する環境が首都圏にはないからです。(ただ、将来的には首都圏でこれに対する反証がたくさんでてきて中学受験熱が一気に醒める可能性は高いです。)また、塾の講師も内心では疑っていても、自分たちの食い扶持を確保するために公言はしません。母親がお金を払えば払うほど優れた教育環境が手にはいると信じてくれていたほうが売り上げがあがるからです。そうやって、大学受験まで信じこませるのもひとつの経営手腕*2です。

 しかし、地方には多数の反証が転がっています。首都圏で生まれ育った人に地方の事情を理解しろという気はありませんし、首都圏の人が理解しようとする気もないのが、私が大学入学後に上京して感じたことです。

 といっても事実の積み重ねは必要です。私が地方の反証を出すのであれば、地方の教育成果が首都圏と比べて著しく劣ってないということを示す必要があります。感覚的に劣っていないことはわかっていますが、数字を出してからでないと説得力を持ちません。そのために前回の記事『地方別東大相対合格率の年度別推移*3』は議論を進めるのに十分な数字でした。

 首都圏の中学受験は首都圏内で教育格差を拡大はしても、中学受験をしたからといってその子が全国的に見て優秀になることはなさそうです。