東大二桁合格校列伝 - 前半終了

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※この記事は11月10日に書いています。

 ここまで、東大二桁校各校列伝として、1950年から1968年までの二桁達成校を紹介してきました。期間として18年間です。1969年から2012年までは、43年間あります。前半と呼ぶには期間的には短いですが、それでも1969年以前と1969年以後では大きな断絶があります。
 皮肉にも、1969年というのは東大の入試が中止になった年です。また、都立学校群を導入する前の生徒の最後の受験年でもありました。そして、東大入試の中止によって、あふれた受験生が他の国立大学を受験し、合格最低点が前年度の首席合格点よりも高くなるという異常事態を生じた学科も出てきました。
 さまざまな事象が無関係に進行しても、一つの時期に顕在化する年があります。まさに1969年がその特異年だったと思われます。
 東大は入試を中止したことで権威を失ったと思われましたが、皮肉にも東大が関東という一地方の旧帝国大学から、全国から優秀な生徒を集め始めたのは、この1970年以後です。都立学校群によって、都立高校の独占をつぶしたことが、逆に新興校の参入を促し、大学入試やその新興校に入るための高校入試、そして中学入試が活性化してきました。
 そもそもなぜ学校群の導入が必要だったのか、東京都のみならず、地方の多くの自治体が学校群や総合選抜制度を導入しました。その最大の標的が旧制中学独占の打破だったわけです。