朝三暮四と私学助成金 その2

スマホで表を見る場合、画面を横向きにし、必要ならPCビューにしてください。

 前々回、前回と思ったことを書きました。まず、名門校なんて所詮行政の思い付きで移ろうものです。次に、高校(もしくは中高一貫校)を選ぶ最大の目的は生涯を通して心の支えとなるライバルを得るためです。どこの高校にいってもライバルは見つかります。それほど、特定の学校に思い入れを強くする必要はないと思います。受験生の努力と保護者の経済力で無理のないところを選べばいいでしょう。思い入れを強くして偏差値の高い一貫校に入れても、長い目でみれば、行政の気まぐれでどうなっているか分かりません。
 それと、掲示板で、いい高校に行くと、OBネットワークが強くて就職後も何かと得をするという意見があります。ゼロとは言いませんが、あまり期待しないほうがいいと思います。むしろ、かすかな期待を持つぐらいなら、そんなもの存在しないと思い、自助努力をしたほうがいいでしょう。結局、自助努力をした人が成功しますから。自助努力をしない人を同窓だからという理由で助けたりするほど世の中は甘くないですし、助ける側だって、ギリギリのところで踏ん張っていますから、助けたくても助けられないのが実情です。
 ただ、生涯を通して心に持つライバルは手強い相手を選びましょう。そして、そのライバルが存在しそうな高校を選ぶのが理想です。ライバルは小説やアニメのなかの人物ではなく必ず実在の人物でなければなりません。でないと、自分が苦境にあったときに、現実の世界で打開することができません。

  • 「あいつなら、この苦境を打開する。」
  • 「この苦境を打開できるやつなんて実在しない。」

 よく、開成や麻布から浪人して東大に合格するのは高校の力でなく、予備校の力だという人がいます。それは違います。開成や麻布の浪人は、心の中にライバルがいるから、「この苦境を打開」できるのです。逆に、高校在学中に勉強面でライバルを見つける機会がなかった浪人は、「この苦境を打開できっこない」と思うから、一年後の大学受験で大きな差が付いてしまいます。(もちろん、心のライバルを見つけた人は、どの高校出身でも理想に向けて苦境を打開できることは言うまでもありません。)
 このようなライバルは大学でも見つかますし、必ずしも最難関の高校や大学でなくても存在しています。それでは最も手強い人にはライバルはいないと思うでしょうが、そうではなく、心のライバルというのは、「ライバルの存在を借りた自分の理想の姿」なんです。だから、お互い持ちつ持たれつです。「自分の存在を借りたライバルの理想の姿」でもあるわけです。