この用語はコメント欄で使用したこともあります。また、多数のご意見をいただいた『受験の南北問題』『都立高校衰亡史』の連載もこの『受験地政学』に基づいて書かれています。今後、様々な記事を書くに当たって、補足を減らすためにもそろそろ記事として明文化しておきます。
この用語は、もちろん、私の造語です。私立進学校の盛衰は次の条件のもとに起きます。
- 地理的要因:当該校の通学圏人口、競合校の存在
- 政治的要因:当該校に関連する自治体の教育政策
各私立学校が、より良き学習環境作りをするのが最低条件ですが、上記の要因を無視して学校改革を行ってもまず成功しません。ところが、校舎を新設した、共学化した、中学校を新設した、そういう次元で、あたかも進学校として成長するという宣伝が行われます。学校側もそういう時期はハード面だけでなくソフト面の予算もつきますから教育メディアに対する広告費も潤沢に用意されます。
ところが、成功する学校は多くありません。しかし、『受験地政学』を知っていると、成功する学校がある程度予見できます。また、今好調の学校でも受験地政学の要因が変わると衰退していきます。要因の変化を先取りして新しい環境に適応できた学校が次の主役になります。
どの学校に行っても本人が努力すれば大学合格の栄冠はつかめますが、停滞している学校にいるよりも、伸びている学校にいるほうが周囲も明るく、本人も気持ち良く勉強ができるものです。