受験の南北問題 1

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 首都圏の受験においてJR中央線の南北で受験に対する価値観が変わります。価値観に優劣はありません。少なくとも私は優劣に興味ありません。興味があるのは価値観によって引き起こされる進学校の動向です。ただ、その現実を踏まえずに学校選びを行うと、親子共々苦労することになります。逆に、学校側も通学圏の価値観に合わせて改革を行わないと苦戦することになります。消費地の要望に沿った品揃えを怠った百貨店が淘汰されるのに似ています。

JR中央線以南 JR中央線以北
学校選び 校風・伝統 費用対効果
後背地 神奈川県 埼玉・千葉・茨城県
併願校 2月校のみ 1月校も対象
代表校 麻布・駒東・JG 開成・海城・桜蔭
公立高校 劣勢 優勢もしくは拮抗
代表大学 慶應義塾大学 早稲田大学

 首都圏が一つの通学圏になっていることから、東京都内の学校であっても、後背地を無視することはできません。南側の神奈川県の人口は905万人、一方、北側の埼玉県・千葉県・茨城県の人口はそれぞれ720万人・622万人・297万人で、総計1639万人です。東京都自体は1316万人です。

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 東京都内や神奈川県では、校風や伝統を重視し、特に学費を重視しない傾向がありますが、埼玉・千葉・茨城県方面は費用対効果が優先する地域です。人口比では、前者が2221万人で、後者が1639万人で、後者の影響は無視できません。実際、埼玉・千葉・茨城方面から通学しやすい地区の都内私学は、常に費用対効果の厳しい評価に晒されて中堅私立の評価はめまぐるしく変わります。