山田太郎ものがたり

　海の日のおかげで、月曜日が休みになり、女子サッカーを楽しむこともできました。テレビも普段見れない番組を見ることができました。夏休み編成になっているのか、『山田太郎ものがたり』の再放送が始まっていました。興味のあるかたは木曜日までまとめて再放送していますので、御覧あれ。

　実は、原作のコミックスは読んだことがなく、ドラマしか見たことがありません。主人公は非常に貧乏なのですが、私立高校の特進クラスに特待生として所属しています。彼は、地頭がいいのか、影で努力しているのかドラマからは分かりませんが、成績は常にトップです。不良更生が主題の学園ドラマとは違い、優等生が主人公であり、恋愛や学校行事を楽しみながらも、最後まで学業という本分を忘れない点で、私立一貫校の原風景を想像するのにちょうどよい設定だと思います。

　主人公の何が輝いていたかというと、家計のハンディを乗り越えて、私立高校と大学への道を自らの才覚で切り開いたというところでしょうか。それもギラギラとした野心ではなく、日々の生活と小さな問題をコツコツとかつ爽やかに解決していく過程でつかんだ点です。
　一流の塾に行かせ、一流の中学に入れて、また、一流の塾に入れて、既存の権威の中で生き残らなければ、一流の大学に入れないと脅迫観念に捕らわれる世界がある一方で、己の才覚のみを頼りに、将来を切り開いていく若者もいるということでしょうか。