週刊ダイヤモンド - 中高一貫校・高校ランキング

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週刊 ダイヤモンド 2011年 6/25号 [雑誌]

 最近、ネットの掲示板で話題になっていたので、書店で手に取りパラパラとページをめくりました。個人的には複雑すぎるブレンド指標*1なので、評価に悩むところです。どうも医学部の重みが大きいようで、地方公立高が高く評価されています。一方で首都圏の高校は軒並み低評価になっています。もっとも、同じ地区同士の高校ではそれなりの評価で並んでいたので、まったく無意味とは言えません。ただ、地方公立高の関係者にはうれしい特集だったかもしれません。
 そもそも雑誌が使うブレンド指標なんて、あらかじめ対象読者層を決めておき、その読者が読みたくなる指標に操作するものです。また当然のことながら、広告主にも有利になります。ランキング表の下には、必ず『○○高校、○○大××名、世界に羽ばたく……』と広告が載っているものです。指標の重み付けは毎年変わるので、通時的な資料価値はないし、その指標となる大学自体も時間が経つと難易度が変わってしまいます。
 常連の読者にはわざわざ説明する必要もないと思いますが、私も東大早慶合格率などというブレンド指標を使っています。これは、首都圏という通学圏では誰でも目指す大学であり、東大、早大、慶大とも短期間に評価が変わる大学ではありません。本来なら東大一本でもいいのですが、東大の合格者数が通時的に統計処理可能なのはせいぜい上位20校程度です。これでは中学受験で偏差値65以上の中学だけが対象になり、受験情報ブログとしては価値がありません。早慶まで対象を広げると、偏差値50以上の中学であれば普通に目指せる大学ですし、偏差値40台でも上位にいれば合格できるので、対象読者も増えます。
 中学受験は子供が相手なので、どうしても偏差値60以上の中学校を『ニンジン』としてぶら下げて競争をさせますが、別にそのニンジンが手に入らなくても、そう悲観することはありません。偏差値40台でも中学受験で最低限の基礎は身につけているので、大学受験でも大きなアドバンテージになります。公立中学、公立高校のゆとり環境に通わせている保護者に話を聞くにつけて、中学受験はやらせておくべきです。ただ、本人が勉強嫌いになるほど尻を叩くのは逆効果で、本人が大器晩成型でまだ時期尚早だと判断すれば、中学受験で基礎だけ固めて、そそくさと公立中学を選ぶのも一つの選択肢です。それだけでも高校受験では別世界にいるほど有利です。