中高一貫校の高校募集は、各校で募集規模が大きく違います。単純に欠員補充程度の規模から、少数精鋭で中入生と同レベルの募集をしたり、高校募集が主体で大規模の募集を行い、中入生を少数精鋭の特進コースとして扱っている学校もあります。
『志望校を決める』の取材に答えてくれた学校は、中入生と高入生を区別して資料を出すことが学校のセールスポイントになると判断しているはずです。逆に、情報公開しない学校は、その数字を出すことは学校のイメージに何の影響も与えないか、悪影響を与えるかのどちらだと判断しています。
- 中入生の優秀さをアピールしなくても学校全体で優秀さが認められている。
- 中入生と高入生の格差が大きく、公開するとどちらかの募集に影響がでる。
- 同じ高校生に対して、道義上、中入生と高入生を区別したくない。
中入生と高入生が完全別クラスの場合は公開しやすいですが、混合クラスの学校は確かに公開しづらいものがあります。
さて、非公開の事情をあれこれ推測しても建設的でないので、公開した学校だけにコメントをします。ただ、あまりに千差万別なので、ここでは高入生で東大合格者が複数名出ている学校についてコメントします。
- 豊島岡女子、東大6名
- 西武学園文理、東大4名
- 城北、東大2名
- 中入生の東大合格者が18名に対して、高入生の合格者は2名となっています。高入生の数が少ないので、割合で補正すると、中入生6%、高入生2.5%ぐらいです。都内で高校募集を行っている私立では典型的な例かも知れません。
- 東邦大付東邦、東大2名
高入生から東大合格者を複数名出している5つの学校のうち4つが、偶然なのかバトルフィールド埼玉の関連校です。豊島岡女子や城北からの東大合格者の出身都県は不明ですが、今後、高校受験で都立高校に優秀層が流れていくのは必然で、私立校の高校募集から東大合格者を出すのは困難になってきます。ただ、埼玉県からアクセスが便利な高校ほど、埼玉県からの流入が期待できるので、高校募集でも他の都内私立よりは相対的に優位に立てる可能性が高くなります。